和解のご報告

かねて皆様にご心配をおかけいたしておりました、労災訴訟につきまして
先日、原告と和解に至り、裁判所内で、ワタミの元女性社員のご遺族に直接、
衷心より謝罪を申し上げました。

和解文の通り、もっとも重い責任は、私にあることを認めます。
ワタミも企業として、再発防止を誓い、ご遺族のご両親様からご指摘頂いた改善策を、
和解文の通り受け入れさせて頂きました。

また、和解までの道のりで、ご両親様を傷つけた
これまでの態度、認識、発言はすべて取り消し、重ねて謝罪させて頂きました。

ベンチャー企業として創業したワタミは、私のリーダーシップと情熱の元、急速な拡大成長をとげました。
しかし、その過程で起きてしまった今回の事実は、とり返しのつかないことであり
私の人生最大の反省点であります。

私もワタミも、和解の趣旨を誠実に実践し、自らと会社を改革して参ります。

自らの胸に深くこの言葉を刻みます。
「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」

平成27年12月18日
渡邉美樹

和解条項の概要は以下のとおりです。

和解条項

1(被告会社らの業務が原因により死亡したことの確認)

(1) 原告らの子である森美菜は、平成20年4月1日当時のワタミフードサービス株式会社(以下、「ワタミフードサービス」という。)に雇用され、同社及び当時の被告ワタミ株式会社(以下、「被告ワタミ」という。両社を総称して「被告会社ら」という。)の指揮命令を受け業務に従事していたところ、平成20年6月12日に、横須賀市所在のマンションから墜落死(以下「本件死亡」という。)した。

(2) 被告らは、横須賀労働基準監督署長が本件死亡を「業務上の死亡」であると認定したことを真摯に受け止め、本件死亡は、森美菜が連日深夜・未明に及ぶ残業や、不適当な社宅を指定されたため終業後の店内に拘束され恒常的な長時間労働を強いられたうえに、不慣れで過重な調理業務、終業後や休日に研修会への出席、課題作成に従事した心理的及び身体的負荷を受けた結果であり、被告会社らの業務が原因であることを認める。

2(法的責任の確認)

(1) 被告ワタミは、森美菜の本件死亡について、労働契約に基づく安全配慮義務及び条理に基づく注意義務を懈怠し、本件死亡について、債務不履行及び不法行為による損害賠償責任を負うことを認める。

(2) 被告渡邉美樹は、被告会社らの創業者で長らく代表取締役を務め、同人が形成した理念に基づき被告会社らを経営し、従業員に過重な業務を強いたことなどから、会社法429条1項に基づく注意義務及び条理に基づく注意義務を懈怠し、森美菜の本件死亡について、会社法同条及び不法行為により、最も重大な損害賠償責任を負うことを認める。

(3) 被告栗原聡は、森美菜の本件死亡について、会社法429条1項に基づく注意義務及び条理に基づく注意義務を懈怠し、会社法同条及び不法行為により損害賠償責任を負うことを認める。

(4) 被告小林典史は、森美菜が被告会社らに入社した当時、被告ワタミの人材開発本部人事部統括本部長として、森美菜が被告会社らに入社する前に、実態とは異なる就労状況や就労条件等を説明し、不適切な社宅を指定するなどして、森美菜の本件死亡について、条理に基づく注意義務を懈怠し、不法行為により損害賠償責任を負うことを認める。

3(被告らの謝罪)

被告らは、原告らに対し、前項の各義務を尽くさなかったことにより、過重な業務に従事させたことが原因で、森美菜を死に至らせ、原告らに深い悲しみと重大な精神的苦痛を負わせたことについて、衷心より謝罪する。

また、被告渡邉美樹は、森美菜が死亡した後に、ツイッターにおける発言などが不適切な内容を含むものであり、不相当な対応をしたことにより、原告らに一層の精神的苦痛を負わせたことを、衷心より謝罪する。

4(再発の防止)

被告らは、被告ワタミの従業員に対し、本件事件の和解の趣旨を十分に説明するとともに、労働基準法及び労働安全衛生法を遵守し、従業員が長時間労働や過重な心理的負荷を負わせる過重な業務に従事することを防止するとともに、別紙記載の再発防止策を行い、従業員の労働環境、健康状態に配慮し、精神疾患発生の予防に努める。

別紙 過重労働再発防止策

1 従業員の実労働時間を、正確かつ適正に記録し、実労働時間と異なる時間が就業時間として記録されることを徹底して防止する。
実労働時間は、始業時刻、終業時刻、休憩時間をタイムカード等に正確かつ厳格に記録することにより、適正なものにするよう努める。
また、勤務地と居宅が離れていることにより、深夜帰宅が困難となる事態を防止するために、人事部門が定期的に実態を調査のうえ、不要な事業場在場時間を撲滅するように努める。

2 1か月の実労働時間について、36協定(労働基準法第36条に関する労使協定)の定めに従い、従業員が定められた上限時間を超えて労働することを防止する。また、36協定の内容については、過重労働を防止するため、更新時に、現行の時間外労働時間に関する規定(1か月45時間、特別延長は1か月75時間で6回、年間720時間)を低減するように努める。

3 労働基準監督署から、事業場に関して是正勧告があった場合には、是正勧告及び是正報告等の内容を全従業員に周知するとともに、その内容をコンプライアンス委員会に直ちに報告する。

4 研修会、新卒ボランティア活動及び会社が出席を実質的に指示するもの並びに課題作成等会社がその作成及び提出を指示するものに要した時間は、適正に業務時間として記録し、残業手当を適正に支払うとともに、長時間労働を防止する。
また、平成20年度から平成24年度までに、その当時のワタミフードサービス及び被告ワタミに入社した新卒社員全員に対し、過去分として一律金2万4714円を支払う。
なお、該当者のうち退職した社員の、所在のわかる者には書面で連絡したうえ、所在が分からない者への支払いを確保するために、被告ワタミは、被告ワタミのインターネット上のホームページに、本和解条項本文第5項に記載される和解条項の記載と合わせて、上記条件に該当する社員であった者から申し出があったときには上記金員の支払いをする(但し、本和解条項をホームページに掲載する期間の最終日までに、受領の申し出のない者を除く)旨を掲示する。

5 平成20年度から平成27年度までの間にその当時の被告ワタミ及びワタミフードサービス(平成27年度はワタミフードシステムズ株式会社)に入社した新卒社員につき、賃金から控除した本購入代金等の返還として、該当する新卒社員全員に対し、それぞれ金2万4675円を支払う。
なお、該当者のうち退職した社員の、所在がわかる者には書面で連絡したうえ、所在がわからない者への支払いを確保するために、被告ワタミは、被告ワタミのインターネット上のホームページに、本和解条項本文第5項に記載される和解条項の記載と合わせて、上記条件に該当する社員であった者から申し出があったときには上記金員の支払いをする(但し、本和解条項をホームページに掲載する期間の最終日までに、受領の申し出のない者を除く)旨を掲示する。
また、社員が研修に使用する書籍や手帳を購入する際の代金収納方法については、社員の自由意思を阻害しないように、別途、検討を行う。

6 正社員を募集する際には、被告ワタミは、入社を希望する者らに対し、実労働時間等、休日・休暇の取得状況、退職等の離職率、費用負担の詳細、給与の当月分の支払いを翌月25日とする取扱い(新規に入社した社員の最初の給与の支払いが翌月25日となること)等の就労実態を正確に説明する。
また、正社員を募集する際には、基本給額と深夜手当金額を分けて提示する。

7 被告ワタミは、弁護士等の法律専門家、人事労務の専門家を半数以上含むコンプライアンス委員会を運営し、定期的に労働環境及び就労実態を調査・検証することにより、過重労働の再発防止に努める。コンプライアンス委員会は当該調査・検証の結果を文書とし、定期的に被告ワタミにホームページに掲載する。

以上