環太平洋パートナーシップ協定(TPP)

投稿日 2016年11月15日

アメリカの次期大統領にトランプ氏が当選したことで、TPPの先行きが不透明になりました。
日本においては、TPP関連法案がようやく衆議院を通過しましたが、国会前では連日「TPP反対」のシュプレヒコールが繰り広げられています。

私はTPP断固推進派であり、参議院の『環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会』の委員にも任命されています。

TPPについて日本で前向きの議論をするためには、情報開示の仕方にもう少し工夫が必要だと考えています。
例えば、「TPPの我が国にとっての経済効果は、実質GDPを2.59%(約14兆円)押し上げ、雇用を1.25%(約80万人)増加させる見込み」と公表されています。
しかし、この試算結果自体に疑問を投げかける政治家、業界団体も少なくありません。
14兆円の内訳はどうなっているのか?
80万人の内訳はどうなっているのか?
その根拠は?
試算方法は?

当然、プラスの積み上げだけではなく、マイナスの分野もあるはずです。
例えば、農林水産省では、農林水産物の生産減少額を約1,300〜2,100億円と試算しています。
しかし、「様々な対策によって、農家所得は確保される」としています。
生産減少を余儀なくされる農産物は具体的には何か?
その農家の所得を確保するために、具体的にどのような施策を講じるのか?
そこまで明確にして、その施策に説得力があって初めて、農家のTPPに対する不安を取り除くことができるのだと思います。

TPPによって、すべての産業・事業者にとってプラスになることなどあり得ません。
ネガティブな情報も含めて、14兆円の内訳の詳細を示し、そのうえで、マイナスの影響を受ける産業や事業者に対して、どのような支援対策を講じるのかを具体的に詰めていく。
そういう視点での情報開示がやや不足しているように思います。
結果として、時として論理的ではない、感情的な議論に流されてしまっています。

私は「国民の最大多数の幸せ」という言葉をよく使います。
大多数の国民の幸せに資する政策はどんどん推進するべきであり、一方で、その政策によってダメージを受ける一部の国民に対しては、必要十分なセーフティネットを整備しなければなりません。
利益を享受する側、不利益を被る側、双方に関する情報を包み隠さず、誠実に開示するところから政策論議はスタートするべきです。

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