東海村原発視察報告①

投稿日 2015年11月25日

原子力発電の現場を把握するため、茨城県東海村に行って参りました。

茨城県東海村は、日本で最初に「原子の火」がともった原発発祥の地と言われています。

東海発電所・東海第二発電所は、日本原子力発電株式会社(以下、日本原電)が運営しています。
日本原電は、1957年に民間の原子力発電専業会社として設立されました。
1966年に日本で初めて商業用原子力発電所(東海発電所)の営業運転を開始し、1978年には日本初の大型原発(東海第二発電所)の営業運転を開始しました。
さらに、1998年に日本で初めて商業用原発(東海発電所)の営業運転を停止し、2001年より廃止措置に着手しています。
日本原電は、まさに日本の原発のパイオニアと言える存在です。

日本原電の皆様から、原子力発電の仕組みから、3.11以降の追加安全策等について説明を受けました。
福島の惨劇を繰り返さないため、幾重もの安全防護措置がなされています。
曰く、米国の9.11テロのように、航空機がハイジャックされて原子炉建屋に体当たりしてきても大丈夫とのシミュレーション結果が出ているようです。
ただし、兵器であるミサイルが直撃した場合は、如何ともし難いようです。

説明の後、廃炉作業中の東海発電所の原子炉建屋内を実際に視察させていただきました。
幾重もの厳しいセキュリティチェックを通り抜け、被ばく線量の計測器とともに中に入りました。
指先に火薬の形跡がないかまでチェックされます。

すでにダクト等が解体されており、現在は巨大な鋼鉄製の熱交換器を自動ロボットで解体する作業が進行していました。
熱交換器自体の放射性レベルは高くなく、本来は人力で解体できるのですが、放射性レベルが高い原子炉の解体に向けて自動ロボットのノウハウを蓄積するため、あえて特注の自動ロボットで解体しているとのことです。
廃炉工事は2001年からスタートしていますが、いまだ原子炉本体の解体工事には至っていません。
計画では、原子炉本体の解体工事は2019年度〜2024年度に実施予定です。
すべての解体工事が完了するのは2025年度の予定です。
原発の廃炉作業がいかに困難であるかを実感しました。

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続いて、使用済み核燃料の乾式キャスク貯蔵施設を視察しました。
使用済み核燃料は、熱の放出がある程度落ち着くまでの一定期間、燃料貯蔵プールに保管されます。
その後、乾式キャスクに封入され、貯蔵施設で自然換気にて空冷されます。
乾式キャスクの壁面に触れてみました。
表面温度は40℃ほどでしょうか?
初冬の冷え込む建屋の中で、キャスクが生暖かい熱を放っています。
まるで、キャスクの中で得体のしれない化け物が生きているかのようです。

日本の科学技術の結晶である原子力発電所。
東海第二発電所では現在、再稼働の準備が着々と進められています。
一方で、その隣の東海発電所では、粛々と廃炉作業が進められています。
2001年の廃炉工事着手から15年が経つというのに、原子炉本体の廃炉作業着手まであと4年も要します。
無人の貯蔵施設で熱を放ち続ける使用済み核燃料。
いろいろと考えさせられる視察でした。

ご丁寧にご説明いただいた日本原電の皆様には心より感謝申し上げます。

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視察日:2015年11月25日