解散について思う事

投稿日. 2017年9月28日

未来に残しておきたい問題提起があります。

私は、経営者としての経験を政治の場で活かすことを期待され国会議員となりました。
規制緩和を柱とするアベノミクス経済成長戦略には今も賛成です。

しかし、経営者出身だけに、国の経営(赤字・黒字)をやはり誰よりも意識します。
国の借金の返済を先延ばしにすることが先行する、今回の流れには異を唱えます。
派手な政党再編にばかり国民の注目が集まり、
そのことが真剣に議論されないことにも不安を感じます。

遠くない未来、万一、財政危機が起きた時、「実はいつかこうなるかと思っていた」と、
そんな無責任なことは、今の政治家として絶対に言えません。
ですから、重大な方針変更の今、声を大にします。

「PB(基礎的財政収支)の黒字化をめざす目標自体はしっかりと堅持する」との
総理の言葉の方にこそ重きを置き、自らの考えと政策を強く主張していく決意です。

国の倒産に値する、財政破綻を絶対に起こさせないことに、私は政治生命をかける覚悟です。

「国の借金は減らした方がいいと思う。けれど、社会保障費は充実して貰いたい。」
この総論賛成、各論反対に、警鈴を鳴らします。

以下、今回の衆議院解散に際して、自らの問題提起と、提言の声明の全文です。
ぜひご覧頂ければと思います。

 

まず、今回の解散について「大義がない」といった声を多く聞きますが、私は今回の解散は間違っていないと考えています。4年間、国会議員として政治の中に入ってみて心底理解したことは、「政治は“数”だ」ということです。選挙で勝利し、“数”を維持し続けなければ、大きなことを成し遂げることはできません。そのために安倍首相がこのタイミングで解散の判断をされたことは、正しい政治判断だと私は考えます。

しかし、今回の総選挙の争点として国民に問うこととした「消費増税2%分の使い道の変更」について、私はどうしても同意することができません。
具体的には、消費税率2%分の引き上げによる5兆円強の税収について、これまで1/5は社会保障に、残りの4/5は借金の返済に使うことになっていました。この5兆円強を財源として、教育無償化を含めた「人づくり革命」に2兆円規模の新規投資をすることに、私はどうしても納得することができないのです。

2020年度基礎的財政収支黒字化目標は堅持すべし

政府は、国・地方の基礎的財政収支を2020 年度までに黒字化するという財政健全化目標を掲げ、2010 年6月のG20 トロント・サミットの共同声明において国際公約としました。その後も日本は国際社会や市場に対して繰り返しコミットしており、2013 年4月のG20 ワシントン・サミットにおいても、財政健全化目標等のコミットメントが再確認され、共同声明に「日本は信頼に足る中期財政計画を策定すべき」との文言が盛り込まれています。
この国際公約を破棄することは、日本の財政や国債に対する国際社会からの信認を著しく低下させるものであり、絶対に許されないことです。
信なくば立たず。論語にある言葉です。財政再建目標の先延ばしは、国際社会の信頼をも裏切る行為であり、政治への信頼しいては「円」への信頼という根幹を揺るがすことになります。

9月25日の記者会見で安倍首相は「2020年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成は困難となります。しかし(中略)プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体は堅持します」と述べられました。
しかし、今回の解散風が吹く前から、2020年に基礎的財政収支を黒字化することは、事実上、もはや難しいと多くの有識者が指摘していました。それにもかかわらず、借金返済用の財源から新たに2兆円規模の投資をすることは、2020年度プライマリーバランス黒字化目標を“事実上、放棄”したことにほかなりません。

これにより、「使途拡大に歯止めがかからなくなる」事態を懸念している有識者は決して少なくありません。私は約30年、企業を経営してきました。その経験を通じて学んだことは、「もういいや」と大切な目標を放棄した途端に、組織はタガが外れたようにずるずると崩壊してしまうということです。基礎的財政収支黒字化目標を“事実上”先延ばしした瞬間に、財政規律は崩壊し、財政再建の道のりは見えなくなってしまうのです。

憲法改正で財政均衡条項を

憲法改正も今回の公約に盛り込まれていますが、第9条の見直しだけでなく、私は財政均衡についても憲法に盛り込むべきだと考えています。
ドイツでは、原則として歳入と歳出を均衡させなければならないという財政均衡条項が憲法に明記されています。国債は、非常時などの例外を除き、原則として対名目GDP比で0.35%までしか発行できません。
財政状況が健全な数少ない国の一つと言われているスイスでも、財政均衡について憲法で明記されており、政府債務残高対GDP比は50%を下回っています(ドイツは75%、日本は232%)。

私は2013年7月に参議院議員に当選させていただきました。私が国会議員になった目的は、「この国の財政を立て直したい」という思いにほかなりません。財政を立て直すためには、収入(歳入)を増やして、支出(歳出)を減らすしかなく、それは企業経営と全く同じ原理原則です。そして、歳入を増やすためには経済再生しかなく、経済再生のためには規制緩和が必要不可欠です。
そういう視点で、私はこの4年間の議員活動において、おかしいと思うことは「おかしい」と主張し続けてきました。2013年10月、自民党の国土交通部会において、都市部でタクシー事業者に台数減らしを事実上義務づける法案に対して、私は反対意見を述べました。「みさなん、この規制強化は、規制緩和をうたうアベノミクスに逆行していると思いませんか」。こう問いかけた私に、参加されていた多くの先生方から「思わな〜い」とたくさんのヤジをとばされたのが私の議員活動の出発点です。
以来、参議院経済産業委員会や自民党の部会等で、中小企業支援、農業、エネルギー、教育、医療、介護などのテーマで規制緩和や歳出削減の必要性を主張してきましたが、一部の先生方に賛同を得ることはできても、常にマイノリティであり、その主張のほとんどは事実上、受け入れられませんでした。それでも私は諦めることなく、愚直に同じ主張を繰り返してきました。
しかし、今回の消費増税分の税収の使途変更は、そうした個別の産業テーマとは明らかに異なります。日本は財政再建に本気でないと国債市場が判断すれば、日本国債への信認が低下し、長期金利が上昇し、しいては財政破たん、そして日本経済が破綻してしまうリスクもはらんでいるのです。これから生まれてくる子どもたちも含め、全国民が大きなダメージを受けてしまうリスクがあるのです。

私は自由民主党の議員であり、アベノミクスに強く賛同する一人ですが、今回の消費増税分の税収の使途変更だけは、絶対に受け入れることはできません。ポピュリズムに走ることは絶対に許されないのです。

財政健全化は私の政治家としての一丁目一番地であり、政治家としての矜持であり、基礎的財政収支黒字化目標の“事実上の先延ばし”につながる今回の消費増税分の税収の使途変更を肯定することは、私を支援していただける方々への裏切り行為にほかなりません。
政治家として筋を通すためにも、政治生命をかけて、2020年度基礎的財政収支黒字化目標の堅持を訴え続けたいと思います。