
東日本大震災から1年たった3月11日、岩手県陸前高田市で合同追悼式が行われた。
小雪がちらつく中、式には3000人を超える遺族が参列した。私も同市の参与として参列させていただいた。
式の最中、いろいろなことが頭をよぎった。
「町には仮設店舗が増えてきているが、1年前と比べて根本的にはなにも変わっていないな」と思った。町をどのように再建するのかグランドデザインがない以上、仮設店舗が増えていくのも仕方がない。人は生きていくために必死だ。
国がすばやく復興の予算をつけ、おのおのの町が計画を作る。国は各官庁に横串を刺しあくまでサポートに回るのみ。こうしたことが当初からなされていれば、こんな虫食いみたいな復興の状況にはならなかっただろう。
1年経って復興のための予算はやっとついた。しかし現場は困惑するばかり。陸前高田市の戸羽太市長は、「国に言っても不要不急のものは後回しと言われる」と困惑を隠さない。例えば、図書館や体育館を作ろうにも後回しと言われるのだ。驚くばかりだ。
インフラが大事なことはよくわかる。道は大事だ。しかし、人が人として存在するのに文化的な場所は必ず必要だ。
図書館や体育館がなければ子どもたちは戻ってこられない。
子どもの声がしない町に、希望の灯は点らない。
縦割りの硬直的な行政の考え方は、ここにきても復興を妨げる。