
「東京都教育委員会は4月8日の定例会で、都立高校定時制課程の入試で、4月中に300人分の追加募集をすることを決めた」との報道があった。
3月に実施した2次募集で大量の不合格者(313人)が出た。そのことに対する緊急救済措置がとられたというわけだ。新年度に入ってから追加募集するのは極めて異例のことだという。
そもそもの話で言うとこの問題の根本には「公私間協議」がある。
高校受験に当たって、公立高校と私立高校の間で話し合いが行われ、それぞれの定員を決めているのをご存じだろうか。例えば、現在の神奈川県の「公立対私立」の定員は「6対4」で決められている。
これが子どものことを考えての話なら何の問題もない。しかし、実態は全く違う。私立高校の経営を守るために、公立高校の定員を決めているのだ。
お金がなくて私立高校に行けない子どもは当然、公立高校に進みたい。だれだって昼間の全日制に入りたい。しかし、定員の壁が阻む。全日制に入れない子どもたちは仕方なく定時制に行く。景気が悪ければ、余計その数が増える。今回東京都で起こったことはその定時制すら定員の壁が子どもたちの行く手を阻んだということだ。
東京都が3月26日に実施した定時制の2次募集には1230人の募集人員に対して1483人が受験したという。倍率が1・21倍、313人の不合格者が出たというわけだ。
話にならない。
私は公私間協議で定員を決め、その結果、定時制に行かなければならない子どもが出てくることが問題だとこれまで言ってきた。2009年10月に神奈川県の教育委員を辞任したのも、公私間協議に対する抗議のためだ。今回おこったことは、その定時制にする入れない子どもが出てきたということだ。
自分たちの既得権益を守るために、子どもたちを犠牲にする。これを大人のエゴと言わずして何というか。