
今回は、デフレ下の経営について考えてみたい。
家計の可処分所得が減り、消費が弱くなる。企業は安売りで対応、業績は悪化し結果として、また家計の可処分所得が減る。これがデフレスパイラルだとしたら、外食はその渦の中に既に巻きこまれている。
巷には「270円均一の居酒屋」といった、価格破壊のお店があちこちで見かけるようになった。タッチパネル方式で極力、従業員を減らす。テーブルサービスをしないため、テーブルには下げものが溢れる。オペレーションだけ無理矢理変え、原価と人件費のトレードオフをしようという考え方だ。「出会い、ふれあい、やすらぎ」のかけらも存在しない。それが分かった上で、「250円均一の居酒屋」に挑戦したいと思う。
仕事を終えて靴を脱いでゆっくりしたい、そうしたお客様に向けた業態をこれまで提供させていただいた。一方、30分だけビールを1杯、2杯飲んでクールダウンさせて家路につきたいというお客様もいるだろう。今回の新業態はそうしたお客様に向けたお店だ。
250円であっても商品力が抜群であること、お客様からの笑顔をいただけるお店であること。そのためには、生産性と仕入れ力の向上が必要だ。
新しい業態に挑戦するということはゼロから作り上げることではない。いま持っているものに創意工夫をして初めて可能になる。だから、まさにいま、これまでの蓄えた力が試されるのだ。それが本物であったかどうかが試される。新しい業態は「ワタミらしさ」を失わないで作り上げてこそ、意味がある。
デフレはよかったと思う。デフレに直面しなければ、このような創意工夫もなかったかもしれない。
多くの経営者の方々に言いたい。
デフレもよし、好景気もよし、だ。不景気を挑戦と変化のタイミングと捉え、好景気はビジネスモデルを伸ばす時期と考えよう。