
今回はトヨタ自動車のリコール問題について書いてみたい。
トヨタ自動車の豊田章男社長は2月24日午後、トヨタ車の大規模リコールをめぐる米下院監督・政府改革委員会の公聴会で証言した。トヨタは米国内で延べ約800万台に上るリコールを実施。民事はもとより刑事上の責任を問われる可能性もあり、「1950年代に米国に進出して以来、最大の危機を迎えた」と報道されている。
私は当然、自動車技術について詳しいわけでもなく、技術的な側面について論評はできない。ただ、経営者として今回のリコール問題で思うことがある。
なんといっても情報だ。米国の情報は本社の上層部に正しく伝わっていたのか、いつどういう形で伝わったのか、伝言ゲームになっていなかったのか、伝わった情報の量と質は適切だったのか、伝わっていたとしたら上層部の判断が遅れたのはなぜか。
こういった入り口のところは徹底的に検証する必要があるだろう。
ワタミグループにとっても今回の事件は決して他人事ではない。「和民」では毎日多くのお客様と接し、介護施設には多くのご入所様がいらっしゃる。いつなんどきトラブルが起きないとも限らない。
ワタミグループでは小さなトラブル、ミスはその日のうちのエリアマネジャーに報告が上がるようになっている。エリアマネジャーから即座に本社に情報は上がってくる。朝何か起きたら夕方までには間違いなく私の耳に入っている仕組みになっている。
私は経営は複数の視点で考えてみることが大事だと思っている。自分の視点だけで大丈夫だと思っていると、思わぬところで足を掬われる。「お客様の立場で見たら、取引先から見たら」と、つねに複数の視点で考えるようにしている。
そう考えると、エリアマネジャーから上がってくる小さなトラブル、小さなミスの報告は凄く貴重な情報だ。そこに普遍的なものを含んでいたり、大きな問題に発展する可能性を秘めているからだ。
組織は大きくなればなるほど現場から離れていく。情報が伝わりにくくなる。そこをどのようにして情報のラインを確保するか。トヨタのリコールが我々に突きつけた問題の奥は深い。