
年の初めは、社会にとって最も大事な出生率(合計特殊出生率)について考えてみたい。
1年間に生まれてくる子どもの数は1970年代前半には、およそ200万人だったが、最近では110万人程度に減少している。出生率は、低下が始まる前の1971年の2.16から、2008年には約4割減の1.37になった。長期的に人口を維持できる水準(人口置換水準)は2.07と言われているので、1.37はかなり低い。人口減少の根本には出生率の低下がある。
子供を産み、育てやすい国となっていないところに大きな問題がある。
他の先進国では日本と同様に合計特殊出生率の低下が見られ社会問題となっているが、フランスやスウェーデン、イギリス、オーストラリア、デンマークなどではここ数年出生率の上昇が見られる。
例えば、フランス。
フランス政府が少子化対策に本腰を入れ始めたのは1990年代初めのこと。93年の出生率は1.65だったが、08年には2を超えてきた。政府はきめ細かな支援策を行った。生後すぐの乳幼児を預かる託児所「クレッシュ」、2歳半から入れる無料の幼稚園などが整っている。子どもが3人以上いる世帯はフランス国鉄の運賃や電気代、公共料金などが割り引きになるほか、所得の制限なく子育て手当てが支給される。乳幼児手当や家族手当の給付を一括して担う「全国家族手当金庫」も存在する。
婚外子の存在も大きい。政府は99年に「連帯市民協約、PACS」を導入した。法的に婚姻関係を結ばなくても男女のカップルは結婚と同じ権利が得られる。子どもの権利も全く問題なく認められている。新生児のうち52%が婚外子と言われている(08年)。
こうした細かな政策を打たなければ、出生率が上がるはずもない。それだけ、若い人に不安があるのだ。
きめ細かな「出生率2プロジェクト」をスタートさせるべき。子どもが育たない社会に未来があるはずがない。