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JOURNAL 思想・時事評

政治 2009.12.16

株主の視点から賛成する 「八ッ場ダム建設中止」の判断

 以前この欄でも書いたことがあるが、私は、国民は国の株主のような存在だと考えている。私たちが税金を納めるのはなんのためか。税金はこの国の運営費。それをみなで出資していると考えればいい。
 そうすると、政治の存在も明確になる。株主によって経営を委託された経営者のようなものだ。もし、経営者がメチャクチャな経営をして大損をしたら、あなたは株主として許すことができるだろうか。当然、経営者を替えようと思うだろう。

 

 その観点で八ッ場ダム問題を考えてみたい。国土交通大臣に就任した前原誠司氏は認証式後の就任会見において、マニフェストに掲げたとおり、八ッ場ダムの事業中止を明言した。この発言に対し57年間国政に振り回されてきたという地元栃木県の反発は強かった。県は11月30日、八ッ場ダム建設に伴う生活再建事業の一環として、「湖面1号橋」の橋脚2基の工事の入札を来年2月に実施すると発表、12月定例県議会の冒頭でも建設推進を求める意見書が賛成多数で可決された。

 

 経営の現場で、ある程度までプロジェクトが進んでいるから最後まで突き進むといった判断は、ありえない。プロジェクトを進めてきたが将来のマイナスの方が大きいと判断し、その時点で退くという決断は、経営ではごく自然のことだ。
 朝令暮改を恥じる必要はない。
 過去に縛られるのではなく、未来に生まれるであろう不利益を避けることこそ、重要なのだ。

 

 株主たる国民もその経営判断を支持しているのでないか。政権交替を実現した鳩山内閣には今までの政策をゼロベースで見なおす権利がある。国民はその権利を民主党に付与したのだ。でなければ、衆議院で300議席を超えるような議席数は与えない。民主党政権が政策を見直すことは、権利というより、むしろ責任といってもいい。
 国政を語るうえで大事なのは、国民全体を考える視点ではないか。ダムに使われる1円の税金は「国民」のものであって、その地域の、まして業界団体の1円ではない。八ッ場ダム建設問題は群馬県だけの問題ではなく、北海道から九州沖縄まで国民全体の問題だと思う。国政である限り、「同じ1円でも国民全体の最大多数の幸せのために使うべきだ」というのが私の持論だ。

 

 株主の視点として、私は前原さんの「八ッ場ダム建設中止」という判断を支持する。

 

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