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JOURNAL 思想・時事評

政治 2009.09.29

食糧自給率を捨てた国、オランダ なのに世界トップクラスの輸出大国のワケ

 今週もオランダについて書いてみたい。
 なぜオランダにこれほどまでにこだわるのかと言えば、訪ねてみて分かったことだが、国民と国の間に「信」があったからだ。信があってこそ、政治が成り立つと思う。政治のひとつの理想型をそこに見た。

 

 オランダの農業についてである。オランダは、世界でもトップクラスの農作物輸出国だ。アメリカに次ぐ輸出金額を誇る。特に酪農および園芸はオランダの主要な産業となっている。世界の花市場の6割の商品がオランダ産といわれている。
 オランダで多くの人に聞いて分かったことだが、オランダは明確に農業政策の方針を打ち出している。「食糧自給率は捨てる」という方針だ。
 生産性が高く、輸出できるものを集中的に生産する、その結果、自給率が下がっても仕方がない。これこそ、政治の判断だろう。

 

 そこには票ほしさの「バラマキ予算」など存在しない。例えば、生産金額1億円のハウスには補助を出すが、3000万円なら出さない。農業の大規模化を促すのだ。
 有機農業も高く奨励している。その奨励のため、経営管理、営業組織および価格競争力の改善に国が取り組んでいる。現在では、オランダの消費者の約30%が定期的に有機農産物を購入していると言われている。

 

 ある方向に向かって徹底して舵を切る。結果はどうなったか。
 オランダの労働人口の3%しか農業に従事していない。にもかかわらず、農業はオランダの国内総生産(GDP)の2・2%を占めるまでの産業になった。生産性はEU平均の2・7倍まで上昇したという。

 

 オランダの土地は実は痩せている。なのに、世界トップクラスの農産物輸出国。このギャップを埋めているのが政治の力だ。
 「この国はどうあるべきか」。根本的な見取図を持つ国は、強い。

 

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