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JOURNAL 思想・時事評

国際 2009.06.19

ブランディングを意識する シンガポールの高級官僚

 以前この欄で「 "独裁国家"シンガポールは幸せな国!?」というタイトルで文章を書いた。
 シンガポールは独裁国家で、働く場所も肌の色で異なる。好調な経済状況下で国民の不満は抑えられているが、はたして人々は幸せなのだろうか。
 こうした内容のものだった。

 

 昨日、シンガポール出張から帰ってきた。今回の出張で、また別のことを感じたのでそれを書いてみたい。

 

 国を統治するという観点で考えると、三つのポイントがあるだろう。暮らしやすい国、働きやすい国、魅力溢れる国という観点だ。教育、福祉、介護、医療といったものは暮らしやすい国を追求するときのテーマだ。日本では、ここが重要視される。これはこれで間違いではないが、シンガポールでは状況が違った。

 

 話す機会があったシンガポールの高級官僚の考えはこうだ。いかにシンガポールのブランディングを高めるか、そのための政策を考える。まさに「シンガポール株式会社」を経営している感覚だ。
 カジノを建設したり、F1を誘致したりするのもブランディングのため。そのためには、街は安全でなければならない、奇麗でなければならない。シンガポールはゴミのポイ捨てが禁止だが、道徳的な理由が主因ではない。ブランド維持が目的なのだ。ブランドが高まれば観光客も訪れ、カネは落ちていく。
 港湾整備も、金融面の規制緩和も、モノやカネを集めるため。人、モノ、カネが集まれば自然、雇用も生まれる。
 シンガポールの高級官僚にとっては魅力ある国、働きやすい国にすることが優先順位の上位にあり、結果として暮らしやすい国にもなるだろうと考えていたのだった。

 

 翻って日本。
 国を経営すべき政治家、官僚にどの程度経営意識があるのだろうか。はなはだ疑問だ。そうしたことを考えつつ、空路、成田に向かったのであった。

 

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