
一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売をめぐって、議論が巻き起こっている。
厚生労働省は2月6日、6月の改正薬事法施行に合わせて、大衆薬のインターネット販売を規制する内容の省令を公布した。これによって、副作用のリスクが低い一部の医薬品を除き、インターネット販売を含めた通信販売ができなくなる、という。当然、ヤフーや楽天などインターネット業者は反発している。
日本薬剤師会や薬害被害者団体は「薬の販売は、対面販売でないと安全性は担保できない」と規制に賛成する。これに対してインターネット業者は「薬害被害者もネット販売で薬を購入したわけではない。ネットでの大衆薬販売を届け出制にして、窓口を明確化するなどすれば、対面販売以上の安全が担保できる」(楽天)と反論している。
私はインターネット業者に軍配を上げたい。改正薬事法では、H2ブロッカー含有薬や一部の毛髪用薬、風邪薬や解熱鎮痛薬などが販売できなくなるらしい。これらの大衆薬がそんなに危険なものなのだろうか。現実的には、薬局まで買いにいけない人も多い。地域によっては薬局がないところもあるだろう。販売できなくなることによって、そうした人たちの利便性を奪うことの方が問題だと思う。
こうした議論の時よく思うのが、規制を強化し誰を守ろうとしているのか、という点だ。今回の薬事法改正も、現在利便性を感じている人たちの利益ではなく、薬局側、そこで働く薬剤師の人たちの利益を守ろうとしているのではないかと感じてしまう。多くの人もそう思うだろう。
最大多数の人の幸せを考えるのが、政治、行政だとすると、今回の規制強化は逆行しているように思える。
ただ、なにもかにも規制強化反対といっているのではない、ことだけは付け加えておく。例えば、大店法の規制。大規模なショッピングセンターが出店することで地元の中小小売業者は潰れていってしまう。その後、そのショッピングセンターが撤退したらどうなるか。もう、そこには小売業者が存在しなくなってしまう。これでは地域住民はたまったものではない。長い時間軸で考えれば、大型店を規制することもやむを得ないだろう。