
派遣労働者のニュースを聞かない日はない。
派遣労働者を解雇する、いわゆる「派遣切り」が社会問題となっている。
労働に対する私の考えは一定だ。労働の形態には様々あっていいと言い続けてきた。正規雇用、パート、アルバイト、業務請負等々。働く人が働く形態を決められる方がいい。
そして今回の派遣切りの問題について当初は少し理解を示していた。経営は大きなものを守らなければいけない。従業員、顧客、取引先、株主・・・。そのためには、泣いて馬謖を斬る場面に出くわすかもしれない、と。
しかし、だんだん違うなと思うようになった。派遣労働者を削減している経営者は本当に「泣いている」のか、と思うようになったのだ。派遣契約が満了なら当てはまらないが、契約途中で、人員に手をつけるのは最後の最後の手段だ。人は、設備や在庫ではない。経営者はギリギリまで雇用を守ろうとしたのか、そう思えなくなった。
まず、経営陣の報酬を削減する。それでも足りないなら、頭を下げて正規雇用の人たちに給与カットをお願いする。人員削減はやれることをすべてやったあとの手段だ。
「派遣切り」を行った企業の経営者が自らの報酬を半減したといったニュースを聞かないのは非常に残念なことである。
自由競争に敗者はつきものだ。しかし、敗者が再チャレンジできない社会ではだめだ。敗者にチャンスと、自由競争に参加できない人にはセーフティネットを。その資金は勝者から集めるべきだろう。それでいて初めて自由主義社会だと思う。
人に手をつけるのは最後の最後の手段だ。そして不幸にもそうした事態に立ち至った人が再チャレンジできる社会を作らなければならない。