
雑誌の編集者から、昨年気になった本について聞かれた。
『夢をかなえるゾウ』がベストセラーになっている時期だったので、気になって購入し飛行機に飛び乗った。その話をした。
ちょうど、映画の「電車男」も機内で放映されていた。偶然にもこの二つの作品に同時に接した訳だが、驚いた。ふたつの作品がなんて似ているのだろう、と思ったのである。
『夢をかなえるゾウ』の主人公は「人生を変えよう」として何かを始めるけど全部三日坊主に終わってしまうサラリーマン。ある日突然、彼の目の前にゾウの姿をした奇妙な神様が現れ、自分が出す簡単な課題さえこなしていけば確実に成功する、という一風変わった自己啓発本だ。
恋愛経験ゼロのオタク青年が、ネットの掲示板に助けられ恋を成就するというのが「電車男」だ。
いずれの主人公も決して強くない。自分の意志を全面に押し出すというよりは、回りに励まされながら生きていくというタイプ。共通点があることに驚いたのだ。こうした作品が支持されるというのは、現在の社会的な状況を現したものだと思う。
和民の店長を見ていても感じることがある。「ああしろ、こうしろ」とアルバイトに指示する店長よりも、アルバイトをサポートするタイプの店長のほうが店のマネジメントがうまくいっているように思える。
良し悪しではない。いまは、若者のそばまで降りていって、寄り添っていく必要がある、それを『夢をかなえるゾウ』と「電車男」に教わった気がした。