
日本航空(JAL)の再建が動き出した。
会長に就任した稲盛和夫氏は次のように話した。「親方日の丸で大変官僚的な仕事の仕方をしてきたようだ。ビジネスを展開するには損益計算に関心を持つ組織になる必要がある」。また人員問題についても「今期2000億円もの赤字を計上する状況は尋常でない。再生に不可欠なら(社員に人員削減の)協力をお願いするほかない」と話した。
稲盛氏は京セラで「アメーバ経営」を推進してきた。アメーバ経営とは小グループ(アメーバ)単位で生産性の向上を徹底するもの。固定費増大は常にチェック、必要なものだけ購入、経費は最小限にし、売上げは最大化の努力をする。1人当たり利益を競わせる。ひとりひとりが経営者意識を持つことが求められる。
すべてが当事者意識というのが稲盛氏の考えにはある。
全く賛成だ。
しかし、こうした考えから一番遠いのがJALではないのか。
稲盛氏がまず手をつけなければならないのが企業風土の改革だろう。抜本的な企業風土の刷新をしなければ前へ進めない。京セラ元副会長の森田直行氏を新経営陣に迎える方向で調整に入ったと報道もあったが、ひとりでは足りない。50人、100人、稲盛氏を理解する人間が社内に入らなければ企業風土の改革など絵に描いた餅になってしまう。
というのも私も介護事業の買収で、ワタミの経営や文化に最も重要な理念浸透で苦労した経験があるからだ。600名いた介護スタッフのうち3分の1近くが退職することになった。「ホームはご入居者様の幸せのためだけにある」という考えのもと、1年かけて介護事業を軌道に乗せた。
幸いワタミの外食部門を中心としたFA(フリーエイジェント)や新規採用と、それに残ってくれたスタッフもよく理解し実行してくれて、今は本当にすばらしい会社となった。
根づいた文化を変えるのは容易ではない。時間がかかるうえに、ものすごいパワーを使うことになる。
JALの再建はうまくいって欲しい。それには、まず企業風土の改革が必要。その点を注意しながら見守っていきたい。