渡邉美樹.net | 大人の責任 子供たちの未来のために

環境 2005.04.09

ワタミにおける環境への取組みのはじまり

※2005年4月発行の渡邉自身の著書「新たなる挑戦」の内容を一部紹介します。

環境問題に対して、私が行動を起したのは、1995年からでした。
当時のワタミフードサービスでは、「和民」とは別に、お好み焼き宅配の「KEI太」という事業を展開していました。マンションに住むお得意様のご自宅にお好み焼きをお届けして、店舗に帰ろうとした時のことです。マンションのゴミ捨て場に、見覚えのある白い〝山〟がありました。発泡スチロールでできた「KEI太」の包装容器が山積みになっていたのです。当時、保温性が高いからという理由で、お届けには、使い捨ての発泡スチロール容器を使っていました。
容器が店舗にある時は、山積みでも「商品」の一部ですから、気にはなりませんでした。しかし、それが「ゴミ」となると別です。処分後の行方が気になって調べてみました。すると、捨てるしかないのだと分かりました。捨てた後は、どうなるのか。埋めるしかないのだそうです。これはマズイと思いました。
使い捨ての発泡容器を採用したのは、宅配ピザなどと同じく、商品をお届けしたら容器を回収する必要がないからでした。おそば屋さんの出前のように食器を回収していたら、注文がある度に、宅配ドライバーがお店とお届け先とを2往復する必要が出てきます。「お届け」で1往復、「容器の回収」でもう1往復です。1往復最低15分。店舗から距離のあるお届け先なら30分間の時間を、容器回収のためだけに費やす必要があります。時給の半分もの人件費がかかります。バイクのガソリン代も必要です。
当時の「KEI太」は、味そのものは好評だったのですが、収益面では苦戦をしていました。それでも、使い終わった容器を回収することに決めました。メーカーに連絡をしたところ、前向きな感じではありませんでしたが、「そちらで数をまとめてくれれば回収してやってもいい」と返事をもらったからです。コストは上乗せになりますが、どうしても、「売りっぱなしでゴミを増やす」ことに我慢ができなかったのです。
結局、「KEI太」は、撤退せざるを得なくなりました。
容器回収によってコストが膨らんだことは、原因の1つにすぎません。ただ、大きな原因だったことは間違いありません。この経験で、大切なことを学びました。
企業における環境への取組みは、「経済活動の一環として組み込まれなくてはならない」ということです。
「妥協」するのではなくて、現状で、どのような環境負荷を掛けているのかを自覚し、「出来うる限りのこと」をすべて実行する。その線引きは、「今まで清掃や廃棄物処理などに掛けていたコストを上回らない範囲」とする。「KEI太」がそうだったように、環境関連のコストが収益を圧迫するようになると、その活動は長続きしません。活動を続ける中で、出来ることの数を増やしていけばよいのです。もう少し言うと、最初から廃棄物を出さないような仕組みをつくって経営をすればよいのです。

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