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環境 2009.05.26

ワタミ環境宣言2008

「環境」を考えるとき、私の頭の中に浮かぶ言葉がある。
それは「前提」という言葉。
私はすべてのことに変えることができない「前提」が存在すると考えている。
私が「男」であることは、変えられぬ前提。
性別のみならず年齢、生まれてきた環境、備えている能力、生きてきた回りの状況もしかり。
経営も同様、「日経平均が一万円を割り込む」
そんな事実さえも変えられぬ「前提」
もっと景気がよかったら......等々、「前提」を受け入れれば、出てこない言いわけ。

私が「環境」を考え始めたきっかけは、お好み焼の宅配事業「KEI太」の保温性の高い容器だった。ある月曜日の朝、ゴミの集積所に発泡スチロールの白い「KEI太」の容器が山積みになっているのを見て思わず立ちすくんだ。
~この容器はどこへ行くのだろう~                  
東京都の夢の島に埋められているとわかった。そのとき生理的にいやだと思った。
お好み焼一枚でこの大きな容器が地球に埋められていく。そんなことが許されるわけがないと思った。宅配容器の回収・リサイクルを始めた。
企業の社会的責任として、その後「環境」に取り組み、平成11年(1999年)7月には、外食産業界で初めて国際環境マネジメントシステム(ISO-14001)の認証を得た。
しかし私にとって本気で「環境」と向き合うきっかけをつくってくれたのは、その翌年の「屋久島」との出会いだった。緑・水・光・風、それ以外になにもない千年の杉が群生する太古の森。
その森に包まれ感じたことは、この自然は「地球の前提」だということ。
この森を守る、守らないなどの議論はナンセンス。
この森は「地球が地球であるための前提」そう確信した。
何故そう感じたのかは上手に表現できない。
今も毎月のように森に入るがそのたびにそう感じたことが間違いではなかったと確信する。
-「生命」が大きな流れの中でつながっている-
そんな思いを持つ。
千年の杉も、古木や岩石の表面を覆っている苔も、川を流れるどこまでも透明な水も、雨も、木洩れ日も、木々の間を通り抜ける風も、時おり顔を出す猿たちや、おしりが白いかわいい鹿まで、みんなみんな生命がつながっている。
そんな思いを持つ。

この自然が失くなったら、地球が地球として存在する理由がなくなる。
地球が地球であるためにこの自然は存在しなくてはならない。
この地球の「前提」を変える権利など人間にあるはずがない。
自然を破壊することは自らの体にナイフを突き立てることに他ならない。
それが私の環境への認識となった。

「河童のクゥと夏休み」というアニメがある。
その映画監督と対談をするためにビデオを観る。
カッパは言う。
~そんな生き方をしたら御先祖様と子孫に対して顔向けができない~
今の私たちの環境破壊の行為を私たちは今までこの地球を守ってきた御先祖に対して、これから生まれてくる子どもたちに対してどう説明できるのだろう。
カッパは言う。
~今日私が生きる分だけの糧を与えて下さい~
もっともっとの限りない欲望の現代社会への強烈な諷刺の言葉である。

「アース」という映画を観ただろうか。
北極の白熊が北極の氷が溶けたことで、エサを獲ることができなくなり餓死していく。
あと二十年足らずで、白熊は絶滅の危険があると言う。
私の大好きな海亀も、このまま地球温暖化が進めば同様に絶滅するだろうと言われている。
白熊、海亀は「人類」そのものと重なる。

-不都合な真実-
映画にも、書籍にもなっている。
これほど淡々と地球の現実を、壊れていく地球を表現した、映画や書籍を私は知らない。
すべてのデータは物語っている。
私たちが今すぐ行動を変えなくては、人類に明日はない。
確実に「地球」は破滅に向かっている。
さあ私たちはどうする?

国際環境マネジメントシステム(ISO-14001)を取得して9年を超えた。
準備期間を含めれば10年以上私たちは「環境」と真正面から向き合ってきたこととなる。
外食産業企業の環境ランキングではNO.1。
エネルギーマネジメントを290店舗に導入、一年間の電気使用量を855万キロワットアワー・一億七千万円分の削減をしてきた。
森づくりのN・P・Oを立ち上げ、ワタミの森が9ヘクタールまで拡大した。

しかし、まだまだ足りない。
特に、今まで一番力を入れてきたアルバイトさんを巻き込んだ教育的意味あいの強いゴミ分別が非常に不徹底。
前回のISO-14001継続審査では長い間ワタミを見てくれている審査員より「ワタミの環境への思いは、薄れてしまったのですか」との言葉をいただいてしまう。

もう一度やり直そう。
10年前にくらべ、ワタミグループは規模も、それに伴う社会的な影響力も桁違いのものとなった。
今こそもう一度「環境宣言」を発したいと思う。


-ワタミ環境宣言2008-
~御先祖様と未来の子孫に恥ずかしくない行動をする~
~美しい地球を美しいままに明日の子供たちに残していく~
私たちは「一人ひとりの意識と行動が変わらなくては、明日の地球の現実は何も変わらない」ことを心に留め、当たり前のことを当たり前に徹底してやり抜くことで現実を変えていきます。

環境活動に取り組む目的
一、地球で営業活動を営む企業の責任として、その活動ゆえに生じる環境の負荷を少しでも小さくする。
~地球の邪魔をしない存在となる~
一、環境活動が経済活動であることを証明して、他の企業を啓発する。
一、グループの成長に伴い増え続ける国内外の従業員を介して「環境」に働きかける。その一人ひとりが生活の中で、常に「環境」を意識し、実質的に明日の地球の現実を変えていくための行動をとる。

ワタミ・エコビジョン2013(具体的なゴール)
地球温暖化防止と廃棄物抑制を環境活動の柱とする。
一、CO2削減:2007年度比一事業所あたり10%削減
一、3Rの推進:グループから出るすべての廃棄物のリサイクル率50%へ

 

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